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レポート|身体に障がいのある人もない人も、ダンスを紡ぐ

 
アダム・ベンジャミンをナビゲーターに迎えて、ワークショップ「身体に障がいのある人もない人も、ダンスを紡ぐ」が2019年7月29日(火)、30日(水)の2日にわたって開催されました。アダムは、身体障がいのあるダンサーとないダンサーとで構成されるダンスカンパニーCandoCoをイギリスで続けています。

そんなアダムによるワークショップ、その2日目の様子を写真で、参加者とアダムへのひと言インタビューとあわせてお届けします。
 
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ワークショップ終了後に、参加者の方からひと言コメントをいただきました。

田村みくりさん 18年前に車椅子ダンスと出会ってからダンスを続けてきましたけど、ワークショップのような機会は今回がはじめて。何が始まるんだろうって感じで参加した初日に比べると、2日目はすこし理解が進んだので、2日間参加してよかったなと思います。目を閉じて、相手を集中して感じとるというワークが印象的でした。これまでは社交ダンスがメインでしたが、いろんなダンスに挑戦していきたいので、今後に活かしていけそうです。……ジェネシスオブエンターテイメントでダンサーとして活動中。

林南々帆さん すっごい気持ちよかった! 自分で空間を閉じずに、エネルギーを外に向けて放出するというのがすごく印象的です。たとえば、リーダーの人がフォロワーの人を連れて行くような動きのときにも、アダムさんは「招待する」って表現されていて。私が今までやってきたコンタクトでも2人で目を見て、動きにつなげることはあったけど、「招待する」という感覚は自分の中にあまりありませんでした。あと、これはアダムさんが言ったことではないけど、人によって時間の流れ方は全然違っていて、けど、その時間の流れをうまく活用できたら空間にうねりを起こせたりするなとか。「あ、これは使える」って触発されることが多かったです。ダンスは見せる部分もあるけど、人とつながるコミュニケーションツールだと思っていて、身体で対話するというのが私にとってすごく大事なことだから、それは続けていきたいし、アダムさんに教わった「その中でどれだけ遊べるか」というのも試していきたい。将来、ダンサーになるかはわからないけど、今回でもっとダンスが好きになったし、続けていきたいなと思いました。……中学時代からモノクロームサーカスの坂本公成、森裕子の指導を受ける。現在、高校生。

しげちゃん 私、和歌山の文化施設で働いておりまして、自分でもいずれそこで教えられるようになればと思って、2年前にもコミュニティダンスの養成講座を受けました。今、文化施設でも社会包摂の流れがあって、今日みたいに障がいのある方と一緒にやるワークというのは私も初体験。ワーク全体を通して、普段使わない身体の感覚を使ったので、すごく疲れました(笑)。目をつぶって動くとか、日常的には決してやりませんから。アダムさんの教えのなかでは、自分が主になるのではなく、空間に動かされてるという感覚がとても斬新で、実際に自分が空気に流されているような感覚になった瞬間が何度かありました。……和歌の浦アート・キューブでスタッフとして勤務。

 

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2日間のワークショップを終えて、すぐに次の仕事場・韓国へと旅立ったアダムにもひと言いただきました。

 

アダム・ベンジャミン 今回は、私が提案するアイデアに対して、みなさんすごくオープンに受け止めてくださって、面白い出来事がたくさんありました。ただ、時間がかなり短くて、まだ始まったところだなという感じはしています。正直にいえば、こうした特別なプロジェクトなどの機会を設けないとアートが存在できないということは、私は恥ずかしく思っていて、今のイギリス政権下でもアートが軽視されているのが現状です。アートのない街はソウルのない街だし、アートが人を人たらしめるもの。アートが奪われるような状況は、とても危険なことだと感じています。

 

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こんにちは、共生社会とは

障がいの有無、経済環境や家庭環境、国籍、性別など、一人一人の差異を優劣という物差しではなく独自性ととらえ、幾重にも循環していく関係性を生み出すことを目的としたプロジェクトです。2019年に神戸市長田区で劇場を運営するNPO法人DANCE BOXにより始動しました。舞台芸術を軸に、誰もが豊かに暮らし、芸術文化を楽しみ、表現に向かい合うことのできる社会をめざす、多角的な芸術文化創造活動です。

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