世界には、障がいのあるダンサーはもちろんのこと、振付家も各国で活躍しています。世界で活躍する身体障がいのある振付家を招き、将来振付家になりたい人たちのためのトレーニング・プログラムを開催します。
まずは、オンラインで振付家達がどのように活動をしているのか、その背景、動機、活動状況などを伺いつつ、日本で障がいのある振付家の育成を行うための環境を作っていきます。
第1回目となる今回は、英国と日本を結びズームでのトークセッションを行います。クレア・カニングハムがなぜ、振付家になりたかったのか、どのようにして振付家になったのか、振付家としてどんな考えを持ち、どのような活動を行ってきているのかなどを、動画とトークによって紹介、最後は日本の障がいのあるダンサー達の質問に答えます。今回は、関心のあるプロデューサー、マネージャー等もご参加いただけます。
Claire Cunningham(クレア・カニングハム)
イギリス国内外で高く評価され、最も知られた障害を持つアーティストの一人であり、その作品の多くが松葉杖の使用と誤用および探究に根差し、健常者のために開発された伝統的なダンスの技法を意図的に退けて自身の特異な身体の可能性を探ることで成立している。 それは振付家としてだけでなく、知識、価値、つながり、相互依存といった社会的文脈における障害者としての生活体験とそれが意味することに対する深い関心を伴っている。自ら障害を持つアーティストであることを表明し、多様なアート様式を組み合わせて生み出される作品は、親密感のあるソロ公演『ME (Mobile/Evolution)』(2009)から、2014年、中世オランダの画家ヒエロニムス・ボスの作品と彼が作中で描いた物乞いをする障害者にインスピレーションを得た『Give Me a Reason to Live』、 主要な宗教においてどのように障害の問題が扱われてきたかに着目した長編作品『Guide Gods』を製作、2016年、CandoCo Dance Companyのために創作した大規模なアンサンブル作品『12』まで幅広い。他に2019年、7月にはアンサンブル作品『Thank You Very Much』がManchester International Festivalにてプレミア上演され、その後CATS賞にて最優秀アンサンブル賞と最優秀音響音楽賞を受賞。2021年にはドイツダンス賞にてダンスにおける優れた芸術的発展をもたらしたとして名誉賞を受賞。
障がいの有無、経済環境や家庭環境、国籍、性別など、一人一人の差異を優劣という物差しではなく独自性ととらえ、幾重にも循環していく関係性を生み出すことを目的としたプロジェクトです。2019年に神戸市長田区で劇場を運営するNPO法人DANCE BOXにより始動しました。舞台芸術を軸に、誰もが豊かに暮らし、芸術文化を楽しみ、表現に向かい合うことのできる社会をめざす、多角的な芸術文化創造活動です。