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このプログラムでは、ダンス公演だけではなく、身体を使ったゲームを楽しみながら、舞台裏を探検し、普段は見られない楽屋や倉庫を覗くことができます。今回の<ドント・ストップ・ダンシング編>は、前回よりもパワーアップし、物語仕立てです。公演中に突如現れた、ダンスが大嫌いな怪人が、ダンサーたちに魔法をかけ、止まってしまう舞台。子どもたちは、再びダンスが見られるように冒険に出かけ、怪人が仕掛けたダンスミッションに挑戦します。
9月19日(土)、20日(日)に控えた公演に先立ち、振付・演出・構成・出演を担当した中西ちさとさん、脚本・演出・出演の筒井潤さん、プログラム担当の田中幸恵さんにお話を聞きました。
―以前よりパワーアップした「劇場へようこそ」の魅力を教えてください。
田中 初回の「劇場へようこそ!」では、パフォーマーが舞台裏をガイドするツアーでした。でも、それだと舞台裏を見るときに、いわゆる「見学ツアー」になってしまったんですよね。なので、前回までの「ハッピーラッキーラジオ編」は、子どもたちに地図を持ってもらって、劇場の中を自由に探索してもらいました。さらに今回は、好評だったラジオ編を更新する形で、劇場の裏を見る時も、よりパフォーマンスとして子どもたちに楽しんでもらえるように、筒井潤さんに脚本をお願いしました。しかし、コロナ禍での上演につき、接触や三密を避けるなどの対策を見直していくうちに、ラジオ編の内容では対応しきれず、思い切って設定を変更し、全体を通して物語仕立てにしていただきました。
―単なる鑑賞や見学ツアーとは違う魅力がありそうですね。
筒井 今回の脚本では、子どもたち自身が「劇場へようこそ!」の登場人物として動かないと物語自体が進んでいきません。だからこそ、子どもたちには物語の世界に入り込んで、ミッションに挑戦してもらえると思っています。
中西 公演中に子どもたちが挑戦する「ダンスミッション」では、ゲームのように楽しみながら身体を動かし、気がついたらダンスを踊っているような形にできればと考えています。
―これまでの「劇場へようこそ!」に参加した子どもたちの様子を教えてください。
中西 最初は緊張している子が多いですね。以前開催したときに印象的だったのは、すごく恥ずかしがり屋で、公演中ほとんど踊らなかった子が、家に帰ってから、おもちゃのピアノを使って、公演中にやったラジオダンス(※)でお姉ちゃんと一緒に遊んでいたらしくて。舞台の上で表現しなくても、子どもたちの普段の生活にはダンスが加わっていくこともあるのだなと感心しました。
ラジオダンス(※)…ラジオから流れてくる言葉やリズムだけを頼りに身体を動かして踊るダンス。
―「劇場へようこそ!」では、保護者の皆さんは劇場のスクリーンでお子さんたちの様子を見られますよね。
中西 子どもたちが劇場裏を巡っている際に、保護者の皆さんには劇場内に留まっていただき、リアルタイムで子どもたちの様子を見ていただきます。保護者と離れているからこそ、普段は見られない表情が見えたり、案外こういう一面があるんだ、と気付けるのは大人にとっても良い刺激になるのではないでしょうか。子どもたちが主人公なので、主人公になりきっている我が子を見られるのは、楽しみの一つだと思いますね。
―子どもたちが劇場に訪れることには、どんな意味があるんでしょう。
筒井 「劇場へようこそ!」のようなプログラムは、楽しいだけじゃなくて、まちを面白くする要因になると思っていて。子どもたちの記憶に劇場のことが残れば、このまちに劇場があったことの証になるだけでなく、まちに劇場などの文化施設があって然るべきだと、自ずとそんな感覚を持ってもらえるんじゃないかな。また、「劇場へようこそ!」を体験した後は、劇場に足を運ぶことがなかったとしても、芸術文化に触れるときの抵抗感は少なくなると考えています。大人になってから訪れる劇場って、敷居が高いか、あるいは有名人が出ている公演に高いチケット代を払って行くイメージ。そうじゃない形の劇場が近所にあったことは、子どもにとって、大切な思い出となるでしょう。
子どもたちが、ゲームや物語を楽しみながら劇場をまるごと体験できる「劇場へようこそ!」。ただ鑑賞するだけではない、子どもたちが夢中になれる仕掛けが盛り沢山。お子さまお一人のご参加でも、お友達とお誘い合わせの上でも、楽しんでいただけます。皆さまのご参加をお待ちしております!
「劇場へようこそ!2020〜ドント・ストップ・ダンシング編〜」
日程:2020年9月19日(土)、20日(日)
時間:両日 11:00〜/14:00〜
会場:ArtTheater dB KOBE(長田区久保町6-1-1 アスタくにづか4番館4階)
対象:5〜12歳
募集人数:各回15名(子ども)、15名(保護者)まで 先着順・要予約
参加費:500円 保護者同料金、4歳以下無料
公演の詳細な情報はコチラ
劇場へようこそ2020(表)
劇場へようこそ2020(裏)
障がいの有無、経済環境や家庭環境、国籍、性別など、一人一人の差異を優劣という物差しではなく独自性ととらえ、幾重にも循環していく関係性を生み出すことを目的としたプロジェクトです。2019年に神戸市長田区で劇場を運営するNPO法人DANCE BOXにより始動しました。舞台芸術を軸に、誰もが豊かに暮らし、芸術文化を楽しみ、表現に向かい合うことのできる社会をめざす、多角的な芸術文化創造活動です。